PDIA式 画像解析の原理


VisiSize 測定原理

VisiSize システムの基本原理と特徴

VisiSize System は、粒子や液滴をバックライト照明でデジタル撮影をします。このデジタル画像から粒子の「粒子や液滴のサイズ」「移動速度」および「粒度分布と速度分布」をリアルタイムで計測します。

VisiSize シャドーイメージ

 

VisiSizeの原理

VisiSize 高圧噴霧画像

VisiSize 高圧噴霧画像

原理概要

VisiSizeは全く新しい理論に基づく2つの技術、「非干渉光学系」と「PDIA解析アルゴリズム」を採用しています。この2つの技術により、どのような環境においても精度良く簡単に測定ができる最新式の画像解析式 粒度分布測定装置となっています。

  • PDIAアルゴリズムのおかげで、セル制限が不必要
  • 焦点位置以外の粒子や物体の影響が無い(搬送パイプなどのガラス越し測定も可能)
  • 観測窓や撮像光学系にゴミが付着しても測定に影響が無い
  • 対象の粒子や液滴を直接観察でき、「見る」事で信頼感も抜群
  • 1ミクロンの粒子をサブミクロン単位で撮影し解析

 

非干渉光学系(VisiSize特殊撮影光学系)

高濃度試液

高濃度試液

VisiSizeの特殊な非干渉光学系は、粒子のマクロ撮影で問題になるスペックル干渉が無く、画像の劣化を起こしません。在来型の画像解析システムは、ピント位置だけに粒子を通すセルなどの制限をしないと、前後の粒子から発生するスペックル干渉光が多干渉を起こし、不鮮明な画像しか得られませんでした。

VisiSIzeは、この干渉性をまったく発生させない波長コントロールを実現する事で、鮮明な粒子映像を得ています。これにより、古い方式の画像解析式はもちろん、レーザー回折式などを含む他方式では測定が不可能であった高濃度粒子/噴霧液滴粒子でも鮮明な画像を得ることができます。鮮明な画像と「新PDIAアルゴリズム」の相乗効果で高濃度粒子でも高精の高い粒度分布測定を実現しています。

 

PDIA解析アルゴリズム

VisiSizeの新アルゴリズム PDIA(particle drop image analysis) は、粒子画像のピンボケ量から対象の位置を測定する理論です。

ピンボケ量は定量的な物理量なので、数学で計算する事ができます。この計算値から正確に判別して高精度な粒度分布測定を実現しています。また、超高速な演算処理を実現しました。

カメラから送られてくる生画像の逐次解析が可能となり、リアルタイムの動的測定を実現しています。刻々と変わる粒度分布の変化、瞬間的な噴霧などを簡単に測定する事が可能となりました。

VisiSize PDIAアルゴリズム解析概念図

 

他の測定方法との違い

「VisiSize (PDIA測定法)」と 「2値化測定法」の違い

測定条件
  • D50 = 100μm ±1 (D:10 = 95 / D:90 = 105)の単分散ガラスビーズをボカシながら測定した比較
  • 精度を比較するため、測定レンジを50〜200μmと高分解能に設定
  • 測定の奥行きは1,500μmとする
  • ガラスビーズ以外のゴミは除外対象とする

画像上文字の説明
数字:カウントID  :ピント指定値外除去  :重なり/形状除去  :画面外除去

  • VisiSize PDIA解析式の測定

    VisiSizeシステムの測定結果

測定法:PDIA (VisiSize)
D:50: 100.3μm
分布: 単分散

VisiSizeシステムはPDIA解析によるボケ量解析により、誤差1%未満の正確なサイズが測定されています。シャープな画像はもちろん、ボケた画像からも正確にサイズが算出され、誤測定も発生していません。
重なり判別,形状分離アルゴリズムにより、中央の異径サイズが重なった粒子やゴミなど誤測定成分も正確に排除しています。測定深度規制値の1,500μmを超えた時点で測定は正確に停止しています。

ワイドレンジで測定しても結果は正確な単分散です。

  • 他社方式の測定結(擬似的に2値化した画像を処理しています)

2値化方式の測定(2値画像を擬似使用)

測定法:2値化
D:50: 118.8μm
分布: バイモーダル 異常分散値 (誤測定)

2値化測定はボケが強くなるに従い、誤って大きく測定しています。また、存在しない2倍以上のサイズをカウントし始めています。
重なった粒子やゴミ(除外対象)も誤って測定しています。粒子の距離に関係なくどこまでも測定を続けてしまいます。

ワイドレンジで測定するとゴミや画像ノイズを拾ってしまいます。また、見事なバイモーダルで計算されおり、分布としての信憑性がありません。

他の古い画像解析の原理的な欠点

不正確な測定

これまでの古い画像解析式は、ピンボケ量を2値化やコントラスト勾配で推測(または見做し仮定)で判別し、許容範囲にある物を無条件で積算していました。  これでは誤差が大きく精度良く測定する事は到底不可能です。ナローセルを利用した方法でも、セル幅をミリ単位程度にしか制限できないため、測定できる実用下限値が30ミクロン程度で低濃度にしか対応できませんでした。  解決策として、テレセントリックレンズなどアイリス(絞り)を入れた光学系を用いる手法もありますが、「倍率が低い」、「無限にピントが合うわけではない」、「レンズ収差が補正されない」、「粒子計測用として使うには精度が低い」など問題が山積みでした。 古い2値化-輪郭-勾配解析の問題

サンプリング数の問題

画像を二値化したり画素レベルで明暗の変化を再計算しなければならないなど、リアルタイムに測定することができず、十分なサンプリング数を得る事が大変でした。

 

VisiSize:PDIA式の特徴

非干渉光学系の特徴

  • 実倍率が高い光学系

    ガソリンインジェクター低倍率画像

    ガソリンインジェクター低倍率画像

1μmの粒子でも、サブピクセルで解析が可能なほどの高倍率を実現しています。

  • 長焦点距離

高倍率でありながら、36mm 〜 360mm もの長焦点距離を実現し、測定対象物を乱す事無く測定が可能です。これは、大きなセル容器、噴霧、圧力容器、搬送パイプ等の外側から測定が可能な事を意味します。

  • 高濃度でも鮮明な画像

特殊な波長処理光源と撮像光学系により、微粒子による散乱光で発生する干渉縞を完全に無くし、ピント位置の粒子を鮮明に撮影する事が可能となりました。画像解解析では鮮明な画像こそ命であり、VisiSizeの画像は初めて見る者が感動さえする美しさです。

  • 超高速な飛翔体に対応

VisiSizeの特殊光源は、数ナノ秒と極短時間の発光により数100m/秒で高速移動する粒子や液滴でも、ぶれる事無く鮮明に捉えます。

  • 液滴/バブルの透過率を無視

干渉縞が発生しない事により、透過性のある対象や非球形でも輪郭の影がクッキリします。この性能により、測定対象の透過特性や散乱特性等に起因する物質補正値を不要にしました

 

PDIA解析アルゴリズムの特徴

  • ピンボケを測る
40um 5m/s

速度-粒度 同時測定 サイズ 40μm 速度 5m/s

ピンボケによる粒子像の「滲み」は一定の法則を持ち、数式で表す事ができます。この数式 (VisiSize特許) を利用する事でピントの合っている物だけを正確に判別し、正確な粒度分布を自動的に測定します。

  • ボケた粒子の逆算もできる

上記の数式を利用すると、ボケた粒子のサイズを逆算する事が可能です。これは測定範囲を2次元面ではなく3次元の立方体で利用する事が可能となります。数学的に計算された立方体はユーザーが自由に定義する事も可能なため、精度よく高速にサンプル数を稼ぐ事を可能としました。

  • 粒子,液滴,バブルだけを識別し認識する

ボケは数学的な一意の現象ですから、粒子以外の物体や大きな影なども数学的に正確な識別が自動的に行われます。

  • 重なりを正確に判別する

重なった粒子は極近距離でも同一のボケを有しません。ボケ特性値の均衡性を元に正確な判別が自動的に行われます。

  • 超高速な計算

数学的な現象は正確な計算式さえあれば、コンピュータープログラムとして最適化が容易です。昨今のCPUの高速化と並列化、数値演算専用プロトコルの高速化を適切に利用しています。普及型ノートPC程度でも、最大約15万個/秒ものリアルタイム解析を実現しています。
(VisiSizeシステムに使用するPCは標準でノートPCです)

  • サンプリング数の増加

画像解析式は画像を物差しとした直接測定方式です。このタイプの測定方法で問題になるのが、サンプル数の問題です。VisiSizeは超高速処理と鮮明な画像により、このサンプル数の問題を解決しました。条件が良ければ数秒で10万個以上の実測サンプリング測定が可能です。

 

粒度分布測定 ラインナップ(動的 画像解析式)

  • ポータブル型粒度分布測定装置(リアルタイム測定)

VisiSize P15 Portable リアルタイム測定・低価格・小型軽量

VisiSize P15 Portable V リアルタイム 粒度・速度測定・低価格・小型軽量

  • 速度分布粒度分布 同時測定型 VisiSize V シリーズ(リアルタイム測定)

VisiSize VF 速度と粒度が同時に測れる標準モデル
VisiSize VY 高速噴霧粒子に対応

  • 粒度分布 標準型 VisiSize S シリーズ(リアルタイム測定)

VisiSize SF 標準モデル
VisiSize SY 高速噴霧粒子に対応

  • 生産ライン向け粒度分布測定装置

VisiSize SF インライン 生産ライン向けモデル

  • ソフトウエア

VisiSize SOLO 連番画像ファイルを一度に自動解析

 

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